【動画解説】「語学の天才」が教えてくれた子供英語成功への2つの鍵
こんにちは、佐野雅代です。
前回の記事でご紹介した、こちらの動画はご覧になりましたか?
Cute Baby Trying to Say First Words
「Say ” I love you~”」という言葉かけに、赤ちゃんが「あいあーゆー」と答えて、ママやパパが大感激する。
そんな一場面が、あなたのこれまでの子育ての中にもあったのではないでしょうか。
「語学の天才」とも言われる赤ちゃんたちの様子を見ていると、子供の英語習得において決定的に重要な2つのポイントが見えてきます。
赤ちゃんは、まだ口周りや舌の筋肉などの発達が十分ではないので、正しい英語の音は出せませんよね。
それでも、「あいあーゆー」と言った瞬間、
「I love you」って言った!とママやパパには一瞬にして伝わり、大喜びになりました。
個々の細かい発音は正しくないはずなのに、相手に言葉が伝わった。
これって不思議だと思いませんか?
ママ、パパの愛情(親バカ)がなせる技なのか?
いいえ、その秘密がリズムです。
赤ちゃんは、個々の音はまだ正しく発音することができなくても、英語という言語の持つリズム、つまり音の高低、強弱、長さの組み合わせをほぼ正確に真似しているんです。
(専門用語では、これをプロソディと言ったりします。)
この「リズム」こそが、相手に伝わる秘密であり、言葉を身に付ける初めの一歩なのです。
私たち親世代にとって言葉というと、「文字」や「意味」といった部分に意識が向きがちになりますが、
語学学習は、本来「リズム学習」であるとも言われるように、まずはしっかりと英語の持つ音とリズムをインプットしてあげることが大事なのです。
音とリズムがしっかり体に刻み込まれているからこそ、当然、英語を聞き取ることができるし、正しく発音することができるようになります。
また、音と文字を結びつけることが楽にできるようになるので、読む力もつきやすくなります。
読むことができれば、語彙や表現力も豊かになっていきますので、書く力や中身のある英語を話す力にもつながっていきます。
そのように、英語の音とリズムというのは、4技能のベースになるとても重要な要素なのです。
こんな風に、「まずは英語の音とリズムのインプットが重要!」という話をすると、
「じゃあ、とにかく大量の英語を聞かせてあげねば!」と、1日に何時間もCDやDVDをかけ流す方もいらっしゃいます。
実際に、
「外出中も、自転車やベビーカーにスピーカーをつけて、かけ流しをしています!」
「今日も5、6時間ほどCDの掛け流しができました!」
なんておっしゃる方もいらっしゃるのです。
その熱意やエネルギーは、本当に素晴らしいと思うのですが…
残念ながら、ただCDやDVDをかけ流すだけでは、使える英語力は身につかないということが、研究結果によっても裏づけられています。
(ワシントン大学パトリシア・クール教授の実験より)
それどころか、あまり長い時間CDやDVDなどの機械音を聞かせ続けることで、子供の脳や心の発達に悪影響及ぼす危険があるという研究結果もあるのです。
(全米科学振興協会の「騒音や雑音が乳幼児に与える影響」の研究より)
動画の赤ちゃんたちの様子を思い出していただきたいのですが、
赤ちゃんたちは、大好きなママ・パパの声で語りかけられたからこそ、それを真似して一生懸命話そうとするわけであり、
CDやDVDの音では、こうはいきません。
最近の研究では、「子供は、学んでいる言語にSocial Benefit(社会的有用性)があると感じたときにうまく習得する」とも言われています。
つまり、大好きな相手と話したい、つながりたいと思うからこそ、その言葉を習得していくのです。
そして、子供にとって世界一話したい、つながりたい相手と言えば、ママ・パパに決まっていますよね。
なので、おうちでママ・パパとのコミュニケーションを通じて英語に触れることこそが、何よりも大切なことなのです。
(もちろん、英語教室で先生やお友達とのコミュニケーションを通じて英語を学ぶことを否定するものではありません。このテーマについては、また別の機会にお話しします。)
コミュニケーションを通じて…というと、ママ・パパが日常的に英語を話すような環境があれば、確かにそれがベストかもしれませんが、
私自身も含め、多くの日本人ママ・パパにとって、それは現実的ではないですよね。
そこで、歌や絵本などを活用して、英語を通じて親子がふれあう環境を作ること(それが、当振興会が定義する「おうち英語」です)がとても重要になるのです。
*
では、おうち英語に取り組む具体的な方法として、果たして「歌」から入るのがいいのか?「絵本」から入るのがいいのか?
次の記事では、ここ数ヶ月の間、私が考え続けてきた結論をお話ししたいと思います。
それでは、また。